

ヨシタケシンスケの初期スケッチ集が「復刻祭」と称して2冊同時に刊行される。赤ちゃんっぽいスケッチを集めた『そのうちプラン』(ちくま文庫)と恋愛っぽいものを集めた『じゃあ君が好き』(ちくま文庫)。あいかわらず、タイトルが秀逸だ。だいたいのことにおいて「そのうちね」と言ったことは実現しないし、「じゃあ好き」なんて言われて喜ぶ人はあんまりいない。でも、人生の希望って「そのうち」と思える瞬間の積み重ねのなかにある気がするし、「じゃあ」にこめられた面倒くささやとりあえず感のなかにこそ深い愛が詰まっている気もする。それが、ヨシタケシンスケさんの魅力だよなあ、と2冊を並べて集めて思う。
どちらの本にも、赤ちゃんっぽいスケッチと恋愛っぽいスケッチがあふれているかといえば、そうではないのも、なんかいい。あくまで「っぽい」だけであって、そのものではない。それくらい、ゆるくていいよなと思えるのもヨシタケさんの本のよさだ。