
2月23日、歌手の一青窈さんが翻訳を担当した台湾発の絵本『さようならの練習』(ポプラ社)の刊行記念イベントが誠品生活日本橋 イベントスペース「FORUM」で行われた。一青窈さんとともに作者の林小杯(リン・シャオペイ)さんも登壇。絵本制作や翻訳の舞台裏が語られたほか、日本語と中国語、それぞれの響きを味わえる朗読も披露された。
愛犬ビビとの「2度の別れ」を描く
『さようならの練習』は、林小杯さんの実体験をもとに、愛犬ビビとの「2度の別れ」を描いた作品だ。
台風が近づくある日、ビビは突然いなくなってしまった。でも、2年が経ったある日、ビビは奇跡的に帰ってくる。歩ける距離は短くなったし、なんだか疲れやすくなったみたい。やがて、夢に現れたビビが〈私〉に語りかけてきて……。
イベントではまず、林小杯さんと一青窈さんによる読み聞かせが行われた。会場のスクリーンに絵本のページが映し出され、林さんが中国語で、一青さんが日本語で一節ずつ交互に朗読していく。すると、この作品に紡がれた言葉の、繰り返しや響きが生む心地よいリズムに、自然と引き込まれてしまう。そのリズムに身をゆだねていると、中国語がわからなくても胸がぎゅっと締め付けられ、日本語でその意味を知ることで、言葉はいっそう深く胸に染み渡る。絵本の中の〈私〉とビビの日々を追ううちに、気づけば、自分にとっての大切な存在に思いを馳せずにはいられなくなる。会場では目頭を押さえる人の姿も少なくなかった。