
非常に厳しい、いや、厳しすぎる消防学校を無事に卒業できました。
前章で書かせていただいた消防学校での生活は、ほんの一部に過ぎません。
通っている最中、「事実は小説より奇なり」ってこういうことなんだなあと思わず感心していたぐらいでした。かなり記憶に残っています。
そんな中、通っていた高校が進学校だったり、高卒が少し舐められていた反逆心だったりで自分をエリートだと思い込みます。そう思い込んではいたものの、かなり大きなミスを積み重ね、めちゃくちゃ怒られたり、同期からハブられたりしていました。
それでも、気持ちはまだエリートのままでした。
なぜかというと、消防学校を卒業してからが本番だからです。消防学校は給料をもらっているとはいえ、まだ学生です。そこを卒業して、一人前の消防士として各々の消防署に配属されて、ちゃんと町の消防士として働き始めてからが本番です。消防学校でどれだけできようができまいが、その後配属される消防署からしたら知ったこっちゃないんです。全然、エリートになる可能性はある。というか可能性しかない。なぜなら進学校を出ているし、ほぼ早稲田卒だから(第9回連載参考)。
まず、その勤務する消防署についての説明をさせていただきます。
自分が所属していた消防署は、大きく分けて3種類ありました。
まず「消防署」です。
は? と思われた方も多いと思いますが、ここがいわゆる「本署」と呼ばれるところで、分類の中では一番大きい署になります。消防署は人数が多く、隊や車両も多くあります(指揮隊、消防隊、救急隊、救助隊、はしご隊など)。日本でいうところの「都道府県」です。当時の感覚としては、ここに所属しているのが「すごい」みたいな感じでした。人もたくさんいるし、いろんな車両があるからたくさん経験も積めるし、訓練もめちゃくちゃするし。
エリートはみんな本署にいるイメージ(あくまで当時のイメージ)です。
そして「分署」があります。
3種類の中では真ん中の立ち位置で、たいてい消防隊と救急隊があります。日本でいうところの「市・区」です。当時の感覚としては、本署と分署では大きさや人数でかなり差があるように思っていました。
最後に、「出張所」があります。名前でなんとなくわかるかもしれませんが、一番規模感は小さいです。人数も少なく、1隊しか作れません。1隊しか作れない関係で、逆に1年目の職員が配属されることはありませんでした。なぜなら人数が少ないので一人でも使えない奴がいるとフォローしきれないからです。
そんな3種類があって、もちろん自分はエリートなので「本署」に配属されました。