
『熱が冷めた私たちは』(菊池策:原作、magari:漫画/KADOKAWA)は、タイトルの通り、冷え切ってしまった夫婦関係の中で揺れる感情を描いた、切ないストーリーだ。
主人公は結婚して2年になる主婦・森口夏美。夫と穏やかな生活を送っていたが、ある問題を抱えていた。それは、夫との夫婦関係が1年もレスの状態にあることだ。義母からは妊娠を期待されるものの、夫は夏美に触れることさえ避けるようになり、夫婦の距離は少しずつ広がっていく。
大きな転機となるのは、夏美が高熱で寝込んでいた日の出来事だ。夫は「友人の葬儀に行く」と言って家を出ていくが、その日を境に態度がさらに冷たくなってしまう。やがて夏美は、夫の行動に違和感を覚え、浮気を疑うようになる。久しぶりに聞いた優しい声が、自分ではなく電話の向こうの女性に向けられていたと知ったとき、彼女の胸に広がっていた不安は確信へと変わる。