
テレビ東京入社4年目局員・牧島による、連載エッセイ。「新しくて面白いコンテンツ」を生み出すため、大好きなお笑いライブに日参し、企画書作成に奮闘する。これはそんな日常の記録――。
こんにちは。
テレビ東京の牧島俊介です。さて...。
私は昔から、幸せを味わうことが下手である。
というか、幸せを感じることがひどく怖い。
幸福感が募れば募るほど、「人生の中で、今が幸せのピークなのかもしれない」と先行きが不安になる。これほどまでに今が幸せなら、この先の人生は緩やかな下降でしかないように思えて、急速に精神の原動力が失われていくのだ。
先日放送スタート、私が監督・プロデューサーを務めた『アリフォルニア』(TVerで全4話先行配信中)。この番組を通じて今、幸せが極まりすぎてしまった。だから、私は猛烈に恐れている。普通か不幸な日々へ落ちてゆく未来を恐れている。
番組を制作している間、私は狂熱の中にいた。過集中に没入し、ただがむしゃらに忙殺された。寝ることを忘れ、食べることを忘れ、社内の重要な面談を飛ばした。私は破綻していた。幸せを感じる余裕などなかった。しかし、苛烈な制作期間を終え、放送を見届けた今、ふと立ち止まって冷静に自分を眺めてみる。私はかつてないほどの多幸感で満たされていた。