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  • 4月9日、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2026年本屋大賞」の発表会が東京・明治記念館で開催され、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』(日経BP 日本経済新聞出版)が大賞に選ばれた。新刊書店に勤務するすべての書店員が投票資格を有する同賞は、二次投票でノミネート作品をすべて読んだ書店員による投票結果で、大賞、順位が決定する。第23回となる今回の本屋大賞では、一次投票で全国の490書店より書店員698人、二次投票では345書店、書店員470人もの投票があった。明治記念館には書店員、作家、出版関係者らが多数来場。「翻訳小説部門」「発掘部門」の1位も発表され、会場はお祝いムード一色となった。


    【大賞】生きる推進力についての物語——朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』



    朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』は、「推し活」文化、「ファンダム経済」と呼ばれる現代の熱狂を、マイナス面も含め冷静に描く作品である。物語は「推し活を仕掛ける側」である中年男性の久保田慶彦、「のめり込む側」である大学生の武藤澄香、「かつてのめり込んでいた側」である契約社員の隅川絢子という3つの視点で進んでゆく。三人には共通して、日々の暮らしの中での空虚さ、理想とのギャップがある。そこを埋めてゆく「推し」という存在は、果たして健全なものなのか。現代社会で人の心を動かす「物語」の功罪をあぶりだす一冊だ。大賞は、丸善雄松堂 広島支店・河野寛子さんが発表。


    『本屋大賞2026(本の雑誌増刊)』には、本作に対し書店員さんから多くの推薦コメントが寄せられている。


    引用----


    「読む前と後とでは、世の中に対する自分のものの見方に少し変化を与えてくれる、そんな作品でした。流行りとは、何者かによって作り出されたものなのではないかと考えさせられます」


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    引用----


    「自分の意志で誰かを好きになって誰かを応援しているつもりなのに、実は精巧に計算された戦略に踊らされていたとしたら…。今、現実の社会でも様々な推し活がなされているけれど、どんどんのめり込んで視野が狭くなっていく様子はあまりにリアル」


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