『腐女医の医者メシ!』(さーたり/KADOKAWA)は、現役の外科医であり、3人の子どもを育てる母親、そしてオタクでもある著者によるコミックエッセイ。人気シリーズ「腐女医の医者道!」のスピンオフとして描かれた本作は、そのタイトル通り「食」というテーマに深く切り込んでいる。
まず目を引くのは、医師の知られざる食事事情だ。ドラマなどではどこか格好よく描かれがちの外科医だが、現実は想像以上に過酷である。外来や手術の合間にほんの数分間で食事をするのは日常茶飯事だ。著者は「医者はだいたい早食い」と語るが、その理由はいつ呼び出されるかわからないという状況下に常に身を置いているからだ。当直中に短時間なら外出が許される病院に勤務していたときは、徒歩で牛丼店に行ったものの食べようとした瞬間に呼び出されて救急車とデッドヒートを繰り広げる話など、笑いの中にも医療現場の緊張感が伝わってくる。