ダ・ヴィンチWeb


家族なのだから仲良くすべき。お姉ちゃんなのだから我慢すべき。そんな「べき論」に縛られ、本音を押し殺してきた経験はないだろうか。理不尽な扱いを受けても、声を上げれば「嫉妬深い」「器が小さい」と責められる。家族という関係性の中では、怒りを表明することも難しいのだ。『世界で一番嫌いな女』(ただっち/KADOKAWA)は、そんな怒りを抱えた人々に寄り添う作品である。


本作の主人公のエリは26歳。幼い頃から妹のまりあに、大切なものを奪われ続けてきた。おもちゃ、彼氏、母親からの愛情。そして今度は、婚約者まで狙われようとしている。周囲から見れば、まりあは「かわいい妹」だ。明るくて人懐っこく、誰からも好かれる。だからこそエリが「妹に嫌がらせをされている」と訴えても、信じてもらえない。それどころか「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられ、エリばかりが悪者扱いされてきた。


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