ダ・ヴィンチWeb

性別違和に生まれて 父と子で綴った23年 松永正訓/中央公論新社


LGBTQという言葉が社会に浸透した今は、多様性の時代である。だが、いざ、家族や身近な人が性別違和であったら、その事実をどう受け止めればいいのか悩む人は多いのではないだろうか。


性別違和を持つ子と父親の半生を綴った『性別違和に生まれて 父と子で綴った23年』(松永正訓/中央公論新社)は、そんな人にこそ、手に取ってほしい一冊である。


小3からショートヘアになり、スカートを穿かなくなった娘


著者は小児科医。40歳の頃、解離性脳動脈瘤で倒れ、勤め先の大学病院を辞めて、小児クリニックを開業した。同時期に誕生したのが、娘の光だ。


小学校の卒業式を目前に控えた頃、著者は妻から告げられ、光が性別違和であることを知る。小3からショートヘアになり、スカートを穿かなくなった光。親から見て、“男勝り”と思えていた行動は光なりの女性性に対する抵抗だった。


  • 続きを読む