
SNSへの投稿で火がつき、一昨年に発売された初の著書『しゅうまつのやわらかな、』も大きな話題を集めた浅井音楽さん。待望の2冊目『ぬいぐるみ投げてたら日曜日が終わった』は、何気ない日々の情景やふとした時に感じる心象などを綴った“言葉集”。思わぬ形で出版されることになったという本作、そして自身が感じる“言葉”の面白さについて、たっぷりとお話をうかがった。

カフカたちが遺した断片集に少しでも近づけられたら
──『ぬいぐるみ投げてたら日曜日が終わった』が上梓されました。前作の『しゅうまつのやわらかな、』から約1年4か月と短いスパンでの刊行ですが、制作はいつ頃から始めていたのでしょう?
浅井音楽さん(以下、浅井):実は前作と並行して作業を進めていました。1冊目を作っていた時、“次に本を出すのなら、こんな内容かな”という感じで、メモのように言葉を書き留めていたノートがあったんです。それを今回の担当編集者さんにお見せしたところ、「これで行きましょう!」と言われまして。最初は何を言っているのか、意味がわからなかったです。“コレデイキマショウ……?”、“え……どういうこと!?”って。
──いわゆるアイデアノートのようなものを、あまり手直しせず本にしていくということですよね。
浅井:そうです。はたしてそんなことができるのかなと疑問に思いましたが、でも編集者さんと話しているうちにどんどんと面白さを感じ、思い切って乗っかることにしました。
──どういった点に面白さを感じられたのでしょう。
浅井:ちょうどその頃、新潮文庫から出た『カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―』を読んでいて、それがすごく興味深かったんです。カフカが残したメモ書きや日記などをまとめた遺稿集のようなものなのですが、たとえば、〈うまくいかない〉といった言葉ばかりのページもあったりして(※)、それがまるで詩のように感じられて。