
『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』(清水めりぃ/KADOKAWA)は、過酷な労働環境に心身を削られていた人々が、ある日突然「猫になる」ことで人生を取り戻していく異色のコミックエッセイだ。ブラック企業、長時間労働、自己犠牲という現代社会の重いテーマを扱いながらも、本作に満ちているのは怒りや絶望ではなく、やさしい笑いとぬくもりだ。シリーズ累計発行部数20万部を超える人気作である。
シリーズは、14時間勤務が当たり前、体調不良でも出社を強いられる職場で働くモフ田くんが、朝起きたら猫になっていたことから始まった。普通なら大混乱のはずなのに、猫の姿で会社に現れた彼をきっかけに殺伐としていた職場は少しずつ変化していく。人間同士だと日常茶飯事になっていた理不尽なことや、思いやりに欠ける行動が「猫社員」がいることによって徐々に変わっていくのだ。