『正直不動産』が映画になって帰ってくる! 主演の山下智久さんはじめ、個性豊かな面々が繰り広げる世界にはファンが多く、よりスケールアップした本作を楽しみにしている方は多いだろう。そもそも『正直不動産』はどうやって生まれたのか? このたび映画公開を記念して原案者の夏原 武さんにお話をうかがった。

●お金の話には人間の本音が出るから面白い
――漫画の連載がどのように始まったか覚えていらっしゃいますか?
夏原武さん(以下、夏原):以前、『クロサギ』(原案担当)で一緒だった編集者(ビッグコミック田中潤氏)とまた何かやろうという話になって。やはりお金の話は人間の本音が出て面白いので、それを「不動産」でやることにしたんです。人は誰でも人生でなにかしら不動産には関わるため身近だし、不動産業界には表からではわからない裏の常識がいろいろありますから。基本的には業界の闇を告発したり啓蒙したりという気は全くなくて、あくまでもエンターテインメントを作ろうとした。その意味でも「ネタ」がすごく多い業界です。
――不動産業界には「千三つ」(「千の言葉の中に真実はたった3つ」の意)という言葉があるとか、そうした知識は以前からご存じだったんですか。
夏原:そうですね。ルポライターになる前にそうした世界に触れることがあったので。いわゆるバブルの地上げに若干関係があって、知らないと損をする業界だというのは知っていました。
――ルポライター/作家としても裏社会に切り込まれていますが、どういうきっかけで?
夏原:僕が物書きになったのは30歳ぐらいのときなんですが、当時『別冊宝島』の編集者から裏社会やアウトローものを書けないかという依頼があったんです。実は若い頃、僕は悪い人だったんで…。
――なぜルポライターに転身されたんですか?
夏原:やめてどうしようとなった時に、本が好きで文章を書くのも好きだったので業界新聞に行き、そこで知り合った編プロ(編集プロダクション)の社長に誘われて雑誌の編集者をやるようになったんです。そこで繋がった人から前歴のせいか「その辺(裏社会)、詳しいんじゃないの?」と声をかけられたのがきっかけですね。