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『狐面夫婦』(岩飛猫/双葉社)は、明治時代を舞台に、人間の男と女妖狐との「だまし愛」の夫婦生活を描いた異類婚姻譚である。アニメ化もされ注目を集めた『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』(双葉社)の岩飛猫氏らしく、本作でも「異なる種族同士が寄り添うこと」の切なさと愛おしさが美しく繊細に描かれている。とりわけ最終巻となる4巻では、夫婦として積み重ねてきた時間が、より深く、より危うい形で描かれていく。


舞台は、現世と隠世が交わる不穏な世界。そこに暮らすのは、女妖狐・狐栢と、かつて罪人だった人間の男・六捨。狐栢は六捨を処刑される寸前から救い出し、「六捨を守ること」を条件に婿になるよう提案する。もちろんその関係は純粋な愛では結ばれておらず、互いに打算があり、秘密があり、ときには利用し合うものだった。だが一緒に暮らし、危険を乗り越えるうちに、少しずつ「本物の情」が生まれていくのである。


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