
子どもの人生を支配しようとし、彼らの心身に悪い影響を及ぼすような親のことを「毒親」と呼ぶ。毒親という言葉自体は広く伝わるものだが、意外と当事者の子どもたちはその異常に気づかず支配され続けているケースもあるのではないだろうか。親元を離れて初めて、「あ、うちの親って毒親だったんだ」と気づく人もいるだろう。
ヤングアニマルWebで連載中の、鳥トマト氏が描く『二月に殺して桜に埋める』(白泉社)の主人公・諸星桜もまた、毒親である母・如月のもとで苦しみながらも、従順に母親の指示を受け入れる日々を暮らしていた。
桜は開業医の家に生まれた長女である。病院を継ぐために医者になれと幼い頃から母親に言われ続けてきた。桜は校外の模試で3位を取るくらい優秀な生徒だが、母親は決して彼女を褒めない。それどころか少しでも自分の期待から外れるようなことがあると、容赦ない暴言と暴力で娘を屈服させようとする。