『毒親育ちの結婚』(高嶋あがさ/竹書房)は、毒親のもとで育った姉弟が、大人になってからもなおその影響に苦しみ続ける姿を描いた作品だ。結婚すれば幸せになれるのか。親から離れれば過去は終わるのか。本作は単純には片づかない現実を、当事者の視点から赤裸々に描き出している。
主人公は、アラフォーになっても独身の姉・望と、結婚して家庭を持った弟。実家はゴミ屋敷で、望は学生時代、友人と出掛けるだけで「男と遊ぶのか」と言ってくる母親に育てられた。一人暮らしする今も、たまに帰れば母親から金をたかられ、父親はいまだに女遊びをやめない。望は「こんな家庭で育った自分が結婚なんてできるのか」と踏み出せず、弟は弟で、結婚後も親の過干渉や支配から逃れられない。結婚していない側も、した側も、それぞれ別の苦しさを抱えているという構図が非常に生々しい。ライフスタイルが変わろうともすべてが解決するわけではなく、育った環境から受けた傷は残り続ける。