ダ・ヴィンチWeb


『わたしは家族がわからない』(やまもとりえ/KADOKAWA)は、どこにでもいそうな三人家族が持っていた違和感を描き出すミステリー仕立てのヒューマンドラマで、「家族とは何か」という問いを読み手に突きつけてくる作品だ。夫婦、親子、そして「普通」という言葉の危うさが静かにあぶり出されていく。


物語の舞台は、役所勤めの真面目な父、「普通がいちばん」が口癖の母、そして活発な娘が暮らす平凡な家庭。しかしある日、父が何の前触れもなく1週間失踪。戻ってきても母はその出来事をなかったことにして生活を続ける。数年後、中学生になった娘は、家から離れた場所で父の姿を何度も見かけたという話を耳にし、封じられていた過去と向き合うことになる。なぜ父はあのとき消えたのか。母はなぜ問いたださなかったのか。その謎が、物語に張りつめた緊張感を与えている。


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