『娘に整形したいと言われたら』(うみの韻花/KADOKAWA)は、中学生の娘から突然「整形したい」と告げられた母親が、現代社会に深く根を張る「ルッキズム」の問題に向き合っていくセミフィクション作品である。
主人公は母・彩と、中学生の娘・ひかり。ある日、ひかりは「この顔じゃ生きていけない」と泣きながら訴え、「整形したい」と打ち明ける。学校で容姿をからかわれ、SNSではかわいい子ばかりが評価される世界のなかで、ひかりは少しずつ自分の顔を憎むようになっていた。もちろん母親である彩は戸惑う。「まだ中学生なのに」「そもそもそんな必要はない」と否定したい気持ちもある。しかし、実際に傷つき、自信を失っていく娘を前に、「気にしすぎだよ」と簡単に言い切ることもできない。
悩み抜いた末、彩はひかりの二重まぶたの整形に同意する。手術後、ひかりは自信を取り戻したように見えた。だが、それで終わりではなかった。「二重になっただけじゃダメだった」と呟いたひかりは、今度は鼻の整形を望み始める。SNSでの比較、他人の心ない言葉、「もっとかわいくなりたい」という終わりのない欲望。その呪いは、ひかりの心をさらに追い詰め、ついに不登校や希死念慮へとつながっていく。