『夜逃げ屋日記』(宮野シンイチ/KADOKAWA)は、「夜逃げ屋」という特殊な仕事を通して、家庭や人間関係の裏側に潜む問題をテーマにした人気シリーズだ。著者の宮野シンイチ氏の体験取材をもとに描いた本作は、SNSで大きな反響を呼んでいる。
夜逃げ屋とは、DVをする配偶者やパートナー、支配的な毒親、ストーカーなどから逃げたい人の「引っ越し」をサポートする業者である。「夜逃げ」といえば、借金を逃れるためだったり、家賃が払えなくなったりという、身勝手な逃避行動をイメージするかもしれない。しかし本シリーズでは、依頼者は理不尽な仕打ちを受けている人物ばかりである。依頼者たちが最後の駆け込み寺としてこの夜逃げ屋を利用し、人生をやり直す姿を描き出す。
そして、第6巻でもさまざまな依頼者が夜逃げ屋を訪れる。モラハラ彼氏と実母の両方から逃れたい女性からの「二重夜逃げ」の依頼や、元プロボクサーの夫からDVを受け続ける女性の依頼、さらにはいじめ加害者家族からの依頼など、さまざまなケースが描かれる。問題の渦中にいる人々が葛藤を抱えながら、もう逃げるしかない状況へ追い込まれていく姿は非常に生々しい。