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『マイボディ・オン・ザ・ムーン』 (矢野アロウ / 早川書房)


「2024年、月の裏側で発見された頭部のない数十体の遺体。それは、人類に大いなる変革をもたらす――」


まるでジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』を彷彿とさせるこの“つかみ”を読んだだけで胸が躍り、思わずページをめくり始めてしまう。そんな国産SFが登場した。矢野アロウ『マイボディ・オン・ザ・ムーン』(早川書房)である。


中国の月面探査機〈チャングー6号〉は2024年、月の裏側で謎の構造物を発見する。小型探査車がその内部へ進むと、そこには高さ150センチほどの透明なカプセルが無数に並び、その一つひとつに座禅を組んだ人間が収められていた。しかし、その人体は全て首を切り落とされていた――。


映像解析の専門家でNASAに勤務する中国系アメリカ人ヤン・ヂャンミン、タイ人の脳神経科学者ジャム、VTuber「ベティちゃん」を推す車いすの少女ミント、そして1980年代にコンピュータの可能性を見抜いた実業家アレクサンダー・コーツ。さまざまな出自や時代背景を持つ個性的な登場人物たちを通して、本作は世紀の大発見を前に世界がどのように変化し、動き出していくのかを圧倒的なスケールで描き出していく。


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