大宅壮一ノンフィクション賞は、ジャーナリスト・大宅壮一の功績を称えて1970年に創設された、日本の優れたノンフィクション作品に贈られる賞。名作を生み出す登竜門として知られるこの賞は伝統を誇り、吉岡忍や梯久美子といった著名な書き手たちも名を連ねている。本記事では、最新作から過去の名作まで歴代の受賞作をまるごとプレイバック!気になった作品がないか、ぜひ探してみてはいかがだろうか。
【文学賞 受賞作品】一覧
第56回 バブル兄弟 “五輪を喰った兄”高橋治之と“長銀を潰した弟”高橋治則/西﨑伸彦
バブル兄弟 “五輪を喰った兄”高橋治之と“長銀を潰した弟”高橋治則
狂乱のバブルが生んだ最後のアンチヒーロー
もう二度と日本にこんな兄弟が現れることはないだろう。
狂乱のバブルに踊り、栄光と挫折の物語を生きた2人は、時代が求めた最後のアンチヒーローだった!
質素なスポーツの祭典だったオリンピックを巨額の利益を生み出すイベントに変えた電通にあって、長年、スポーツ局に君臨した高橋治之が、2022年、ついに東京オリンピックでの収賄容疑で東京地検に逮捕された。東京拘置所へと引っ立てられる治之の姿を見て、30年近く前、同じような光景を見た気がした人も多いだろう。
第55回 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折/春日太一
鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折
『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から譲り受けた膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。
第54回 黒い海 船は突然、深海へ消えた/伊澤理江
黒い海 船は突然、深海へ消えた
2008年、太平洋上で碇泊中の漁船が沈没。
17名もの命が失われた。
11年後、著者は沈んだ船「第58寿和丸」の取材を開始する。
生還者や専門家、国の事故調査に関わった者たちを取材するうちに事件の全貌が現れ始める。
人々を翻弄する国家の不条理も問う、デビュー作にして各賞総なめの傑作ノンフィクション。
第53回 嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか/鈴木忠平
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、異端の名将の実像に迫る。
第53回 彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠/樋田 毅
彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠
1972年11月、革マル派が支配していた早稲田大学文学部構内で、一人の学生が虐殺された。後に「川口大三郎君事件」と呼ばれるこの悲劇をきっかけに、一般学生は自由を求めて一斉に蜂起。しかし事態は思わぬ方向へと転がり、学外にも更なる暴力が吹き荒れて――50年前、「理不尽な暴力」に直面した著者が記した魂と悔恨のルポ。
第52回 女帝 小池百合子/石井妙子
女帝 小池百合子
キャスターから国会議員へ転身、大臣、さらには都知事へと、権力の階段を駆け上ってきた小池百合子。しかしその半生には、数多くの謎が存在する。「芦屋令嬢」時代、父親との複雑な関係、カイロ留学時代の重大疑惑――彼女は一体、何者なのか? 徹底した取材に基づき、権力とメディアの恐るべき共犯関係を暴いた、衝撃のノンフィクション!
第52回 チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学/小川さやか
チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学
香港のタンザニア人ビジネスマンの生活は「まさか!」の連続。既存の制度に期待しない人々の合理的な知恵とは。第51回大宅壮一ノンフィクション賞,第8回河合隼雄学芸賞受賞。
第51回 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか/安田峰俊
八九六四 「天安門事件」は再び起きるか
「“その事件”を、口にしてはいけない」
1989年6月4日、中国の“姿”は決められた。
中国、香港、台湾、そして日本。
60名以上を取材し、世界史に刻まれた事件を抉る大型ルポ!!
この取材は、今後もう出来ない――。
第50回 選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子/河合香織
選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
その女性は、出生前診断をうけて、「異常なし」と
医師から伝えられたが、生まれてきた子はダウン症だった。
函館で医者と医院を提訴した彼女に会わなければならない。
裁判の過程で見えてきたのは、そもそも
現在の母体保護法では、障害を理由にした中絶は
認められていないことだった。
ダウン症の子と共に生きる家族、
ダウン症でありながら大学に行った女性、
家族に委ねられた選別に苦しむ助産師。
多くの当事者の声に耳を傾けながら
選ぶことの是非を考える。
第49回 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞/森 功
悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞
一強と持ちあげられ、自民党総裁として異例の三選を取り沙汰されてきた安倍晋三総理大臣。
その権勢に陰りが見え、支持率が急落した原因は、何といっても学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題だった。
総理自らが「腹心の友」「四十年来の親しい友人」という加計氏側に有利に運ぶように、政治的な圧力はあったのか。
次々と明らかになる文科省の内部文書や、前事務次官の告発などで、追い詰められた総理はついに解散に打って出た――。
徹底した取材を元に、疑惑の全貌を明らかにするノンフィクション。