ダ・ヴィンチWeb

  • 『君にかわいいと叫びたい』(ハッピーゼリーポンチ/KADOKAWA)は、「好きなものを好きと言うこと」の尊さを、全力で肯定してくれる友情コミックである。


    主人公・桐山は、話しかけられると緊張して表情が引きつってしまい、職場でのコミュニケーションがうまくいかない会社員。そんな彼女の心の支えは、ひそかに溺愛しているドールだった。ところがある日、新入社員として入ってきた南が、そのドールにうりふたつだったことから、桐山の日常は大きく動き始める。最初は戸惑いながらも、桐山は南と少しずつ距離を縮めていく。自分の趣味を知られることへの不安、引かれるのではないかという怖さ。それでも、南は桐山の「好き」を否定しなかった。むしろ受け止め、認めてくれる。その瞬間、桐山の中で閉じていた世界が少しずつ開いていくのだ。


    本作の魅力は、かわいいと思う気持ち、誰かを大切に思う気持ち、自分の好きなものを肯定してもらえた時の喜び、それらが全部まとめて、桐山の生きる力になっていくところにある。かわいいものを、かわいいと素直に愛でたい気持ちは誰にもあるもの。だからこそ、読んでいるこちらも、桐山と南の関係を思わず応援したくなってしまう。


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