谷崎潤一郎賞は、1965年に創設された、日本を代表する純文学賞のひとつ。その年を代表する優れた小説や戯曲に贈られ、歴代受賞者には大江健三郎、村上春樹、川上弘美、吉本ばなななど、名だたる作家が名を連ねている。本記事では、最新の受賞作品からさかのぼり、歴代谷崎潤一郎賞受賞作品を一挙紹介!ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
【文学賞 受賞作品】一覧
第62回 チェロ湖/いしいしんじ
チェロ湖
弦楽器のかたちの湖にボートで漕ぎだす若い男。野鳥の声の録音を生業とする彼が釣るのはアユだけではない。釣竿の先に、祖母が遺した蓄音器の針をつけて湖水に垂らすと、そのまっすぐな針に、一族四代、百年にわたる「ものがたり」が釣りあげられてゆく。野人めいたタフな祖父、蓄音器に魅せられた祖母、チェリストの母、神出鬼没の建築家の父、風の音、鳥のさえずり、駆けまわる馬、レコード、オーケストラ、数々の歌……。物語作家いしいしんじが並外れた才能を発揮した、心震わせる圧倒的長篇!
第61回 熊はどこにいるの/木村紅美
熊はどこにいるの
推定4、5歳の身元不明の男児が国道沿いのショッピングモールで保護されたーー。
暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。震災から7年の地で、4人の女たちの運命が動き出す。圧巻の神話的サスペンス!!
第60回 続きと始まり/柴崎友香
続きと始まり
あれから何年経っただろう。あれからって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日──。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。
第59回 水車小屋のネネ/津村記久子
水車小屋のネネ
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」幅広い年代に支持されるハート・ウォーミングな物語で、 第59回谷崎潤一郎賞、2024年「本屋大賞」第2位など、読書界の話題をさらった津村記久子の代表作、ついに文庫化!
第58回 ミトンとふびん/吉本ばなな
ミトンとふびん
互いに事情を抱え、母親達の同意を得られぬまま結婚した外山くんとゆき世。新婚旅行先のヘルシンキで、レストランのクロークの男性と見知らぬ老夫婦の言葉が、若いふたりを優しく包み込む(「ミトンとふびん」)。金沢、台北、ローマ、八丈島。いつもと違う街角で、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描く極上の6編。
第57回 アンソーシャル ディスタンス/金原ひとみ
アンソーシャル ディスタンス
心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、高アルコール飲料に依存する女。(「ストロングゼロ」)
十歳年下の彼氏の肌の若さに当てられ、整形沼へ走る女。(「デバッガ―」)夫から逃げだしたのに、今度は不倫相手に振り回される女。(「コンスキエンティア」)
生きる糧だった推しのライブが中止になり、彼氏と豪遊の心中旅行に繰り出す女。(「アンソーシャル ディスタンス」)
恋人と会えない孤独の日々の中、性欲と激辛欲が荒ぶる女。(「テクノブレイク」)
絶望に溺れる手で掴んだものが間違っていたとしても、それは私が今を生き抜くために、どうしても必要な希望だった。女性たちの疾走人生を鮮烈に描く五つの短編。
第56回 日本蒙昧前史/磯﨑憲一郎
日本蒙昧前史
大阪万博、ロッキード事件など、戦後を彩る事件をそれぞれの渦中の人物の視点で描く、芥川賞作家の最新長篇にして、文体の真骨頂。
第55回 飛族/村田喜代子
飛族
日本海のはずれ、朝鮮との国境に浮か養生島。 かつては漁業で栄えていた離島で暮らす三人の老女のうち、ナオの死で、いまはイオとソメ子のふたりが取り残されている。 九十二歳でひとり暮らしのイオの娘、ウメ子も六十五歳になった。 イオは海女をなりわいとして、八十五歳までアワビを獲るほど、心身ともに丈夫ではあるけれど、娘のウメ子としては心配でならない。 二十五年前の海難事故で命を落とした夫を供養するイオとソメ子。 異国からの密漁船による侵略や、地球温暖化など、不吉な未来を予感しながら、泰然と暮らしを守り続ける老女たち。 そんな島に、おそろしい台風が近づいてきて……。