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前代未聞の攻城戦で秀吉の参謀として活躍。三大築城家と呼ばれる黒田官兵衛の城づくり/武将、城を建てる④

2024年10月7日

  • 『武将、城を建てる』(河合敦/ポプラ社)第4回【全4回】

     安土城、大坂城、名護屋城、熊本城、江戸城、松山城など、有名な城をつくったのは、戦国時代を戦い抜いた武将たちだった。城をつくった武将たちの知られざるエピソードや城づくりへのこだわり、どんな城をつくったかなど、人物から見る新たな見解を一冊にまとめました。お城がもっと身近に、そしてもっと面白くなる『武将、城を建てる』をご紹介します。


    武将、城を建てる
    『武将、城を建てる』
    (河合敦/ポプラ社)

    武将、城を建てる

    前代未聞の攻城戦


     黒田官兵衛孝高(如水)は、藤堂高虎、加藤清正と並んで三大築城家(三大築城名手)といわれている。ただ、いつからそう称されるようになったのかわからない。それに、他の二人と違って、官兵衛がつくった城郭の石垣や建物が多く残っているわけでもない。


     今回は、官兵衛が手がけた中津城と福岡城を紹介したいと思う。


     官兵衛は、播磨国の大名・小寺政職の重臣であった。播磨は、強大な毛利氏と新興の織田信長にはさまれた地域だったが、官兵衛はいち早く信長に従うべきだと主張し、主君を納得させて織田方に付かせた。

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