ダ・ヴィンチWeb

  • ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026月8月号からの転載です。


    岡村靖幸さんのファンサイト「岡村靖幸DATE」にて、俵万智さんを講師に迎え、約3年半にわたり連載されてきた短歌レッスンがついに書籍化! 短歌初心者の岡村さんが、俵さんから学んだ短歌の神髄とは何なのか? 印象に残っているファンの短歌は? 刊行を記念して対談を行いました。


    ――そもそも、どういうきっかけでこの企画が実現したのでしょう。


    岡村靖幸さん(以下、岡村):僕のファンクラブで新しく企画を立ちあげようと話していたとき、雑誌『ユリイカ』の編集者だった足立さんが、ファンと短歌のやりとりができたらおもしろいんじゃないかと提案してくれた。でも、僕は短歌に関してはまったくの素人だから、先生役が必要だと思って、以前、対談したこともある俵万智大先生に依頼したわけです。僕の短歌を採点して、どうすればよくなるかを教えてもらえたら、それだけで短歌入門として読みごたえのあるものになるだろうし、いずれ本としてまとめられるんじゃないかと。


    俵万智さん(以下、俵):目論見どおり、おもしろい本になりましたね。岡村さんはとにかく知りたがりで、学びたがり。指導したことは必ず次に生かして、毎回、驚くほどたくさんの短歌を提出してくださいましたし、たとえば恋がテーマのときには『チョコレート革命』を読みこむなど、私の著作をみずから手にとり、自主勉強を重ねていた。


    岡村:それでも、僕の短歌はどうしても散文になりがちでしたね。よく指摘されたのは「言い過ぎ」ということ。「激しく怒った」「強く苦しんだ」のような直接的な表現ではなく、その心情を読者に想像させるような風景やしぐさを描写したほうが、より印象の強い歌になるのだと……添削してもらうたびに納得するんだけれど、実践するのが難しい。たぶん、初心者が全員、引っかかるところだと思うので、それを逐一、こぼさず指摘していただけたのは、読者にとっても、かなり勉強になると思います。


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