『いつか死ぬなら絵を売ってから』(ぱらり/秋田書店)は、ネットカフェで暮らす青年が、「絵を描くこと」を通して人生を変えていく姿を描いたヒューマンドラマだ。貧困や孤独、芸術の価値といった重いテーマを扱いつつ、「創作とは何か」という問いを真正面から描いた作品である。
主人公の霧生一希は、ネットカフェで暮らしながら清掃員として働く青年。もちろん毎日の生活に余裕などはなく、寝食を確保するだけで精いっぱいの日々を送っている。彼にとって唯一の救いが、仕事の合間に絵を描くことだった。そんなある日、商業ビルの清掃の合間、テラスで小さなスケッチブックに風景画を描いていると、窓越しにその絵を見つめる謎の青年・透が現れ、一希に「その絵を買わせてほしい」と声を掛けてくる。ここから一希の人生が大きく動き始めるのだった。