仕事で大きな失敗をした時、本当に必要なのは正論や叱責ではないのかもしれない。必要なのは、ただそばにいて、そっとなぐさめてもらうこと。欲を言えば、たとえば、モフモフの大きな猫がぎゅっと抱きしめてくれたら、張りつめていた心がこの上なく癒されると思うのだが……。
『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話(モフ田くんの場合)』(清水めりぃ/KADOKAWA)は、ある日突然猫になったモフ田くんの日々を描く爆笑コミック。猫になっても会社員として働き続けるモフ田くんは、会社にいるだけで職場の空気をやわらげる。人間だった頃とは違う形で、周囲を支える存在になるのだ。
心に残るのは、プレゼンで失敗した社員をモフ田くんがなぐさめる場面だ。常務たちの機嫌を損ねてしまったことを気に病む社員に、モフ田くんは大きな体でそっと寄り添う。ふわふわの毛並みに包まれた社員が「何コレ…幸せ感じる…」「信じられないくらい癒やされる…」とつぶやくのもよく分かる。……私もこのモフモフに埋もれたい。疲れ切った時は、どんななぐさめの言葉よりも、猫のぬくもりが一番だ。