『コワイかもしれない 押切蓮介ホラー短編集』(押切蓮介/竹書房)は、多くの人気ホラー漫画を手がける押切蓮介氏が、自身が体験したことや知人から聞いた話をもとに描いた短編集である。幽霊や怪異などが登場するものではなく、「もしかしたら本当にあったのかもしれない」と思わせる現実感が絶妙な恐怖を伝えてくる作品だ。
本書には、コミック誌『増刊 本当にあった愉快な話』や『怪談コミック サムケ』(どちらも竹書房)などに掲載された全14作品を収録。どの話も派手な演出で驚かせるものではなく、日常のすぐ隣に潜む違和感を少しずつ積み重ね、気づけば背筋が寒くなっているような読後感を味わえる内容だ。押切氏がネットで知り合った漫画家志望の青年のホームページの話や、アシスタントが住む家の隣人の話など、どこにでもありそうな日常から、いつの間にかヌルッと恐怖の世界に入り込んでしまう押切ワールド全開の短編が収録されている。