赤ちゃんは、言葉で気持ちを伝えることができない。お腹が空いた、寂しい、不安だ、誰かに来てほしい。どんな思いも、泣くことでしか知らせることができない。もし、大人が赤ちゃんに転生したとしたら、その不自由さを身をもって知ることになるだろう。
『赤ちゃんに転生した話』(茶々京色/KADOKAWA)で描かれるのは、まさにそんな体験。元社畜の男性が赤ちゃんに転生し、育児される側の視点から赤ちゃんライフを体験していくコメディだ。大人の意識があるからこそ、何もできない身体にもどかしさを感じる赤ちゃんの奮闘ぶりに、思わずクスッと笑わされてしまう。
無事病院を退院し、自宅での生活が始まった赤ちゃん。家は、病院とは違い、常に助産師や看護師がいるわけではない。ふと気づくと、近くにママさんがいない。そこで赤ちゃんは、試しに泣いてママさんを呼んでみることにする。大人なら「呼ぶ」だけで済むことが、赤ちゃんには泣くことによってしか叶えられないのだ。