夏は四季の中で一番、青春を思い出しやすい季節だと思う。夜空にパッと咲き、限りある眩しさを魅せる花火に、過ぎ去った青春時代を重ね合わせるからだろうか。中高生男子たちの青春を描いた『漫研ども集まれ!』(双葉社)は、この季節におすすめしたい青春小説だ。
本作は、『編集ども集まれ!』(藤野千夜/双葉社)の前日譚である。同作は著者の編集者時代を描いた自伝的小説。主人公の小笹一夫は、神保町の出版社に入社。個性豊かな同僚や作家と交流を深めながら大好きな漫画制作に携わり、編集者としての腕を磨いていくが、その裏では自らの性自認に葛藤していた。
やがて、小笹はスカートを穿いて出社するように。周囲からは「笹子」と呼ばれ始める。当時はジェンダーへの理解が乏しい時代。小笹は会社をクビになってしまうが、その後、作家に転身。芥川賞を受賞するまでに至った。