年齢を重ねることは少し怖い。だって、若い頃のような勢いはなくなり、見た目も、体力も、少しずつ変わっていってしまうからだ。けれど、時間が経ったからこそ出てくる美しさもあるのではないか。
そんなことを、さりげなく、でも力強く教えてくれるのが、『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)。それぞれ異なる人生を歩んできたマダム3人が、同じ家で暮らしながら日々を楽しむコミックエッセイだ。栞、沙苗、晴子の会話には、年齢を重ねたからこそ言える言葉がさりげなく詰まっている。何気ない雑談の中で、時間をかけて磨かれたものの美しさに気づかせてくれるのが本作の魅力だ。
たとえば、ある時、沙苗たちの話題にあがったのは、ヴィンテージの指輪。沙苗が20代の頃に買ったものだから、もう最初の輝きはない。けれど、その分、大切に磨かれ、年月を経たからこそ出る深みと美しさがある。沙苗はそんな指輪を熱心に磨きながら「まるで私たちのよう」と表現するのだ。