クリスマスと聞くと、恋人と過ごす特別な日を思い浮かべる人は多いだろう。けれど、年齢を重ねるほど、クリスマスの形はひとつではないと分かってくる。子どもと過ごす日も、夫婦で過ごす日も、友人と笑い合う日も、それぞれにかけがえがない。特に気の置けない友人と過ごすクリスマスはとびきり楽しい。
『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)は、3人のマダムが同じ家で暮らしながら、日々の出来事を自分たちらしく楽しんでいくコミックエッセイ。家族との思い出も、友人と過ごす今の時間も、どちらも大切にする栞、沙苗、晴子。季節のイベントをただ待つのではなく、自分たちで楽しい日にしていく姿がまぶしく感じられる。
たとえば、街の空気が少しずつ華やいでいく12月、3人はこれまでのクリスマスの思い出を語り始める。昔からルームシェアをしていた栞と沙苗は、栞の娘が小さい頃は親戚まで巻き込んでサンタを“召喚”したこともあったというし、ボーイフレンドと出かけた沙苗がすぐに別れて帰ってきた、なんてこともあったらしい。一方の晴子は夫や、孫が生まれてからは息子家族とも過ごしたのだという。今年は3人で過ごす久しぶりのクリスマス。「ドレス着ましょうドレス」「せっかくなら一張羅を着て、おいしいご飯を食べて、シャンパンを空にしましょう」と決めるマダムたちの姿は、ああ、なんて楽しそうなのだろう。
家族と過ごしても、友人と過ごしても、ひとりで過ごしても、クリスマスはきっと楽しめる。けれど、大事なのは、誰かに用意された幸せを待つことではなく、自分たちで「楽しい」を作ることなのかもしれない。マダムたちの気合十分な姿を見ていると、何だか今からクリスマスが待ち遠しくなってくるだろう。
文=アサトーミナミ