何をしていても、頭から仕事のことが離れない…。社会人としてのキャリアが長くなり、任される業務や責任が増えてくると、そんな悩みを抱えることもある。だが、多忙な日々だからこそ、時には心身をオフにする時間を持つことは大切だ。
猫が真夜中に開く不思議な喫茶店を舞台にした『深夜3時のくろねこ喫茶』(ねこまき(ミューズワーク)/スターツ出版)には、お疲れ気味な社会人に響くストーリーが描かれている。
30代の男性・裕太は多忙な日々に追われ、寝落ち。目を覚ますと、なぜか3匹の猫たちが開く猫専用の喫茶店に来店していた。入社以来、休日もずっと仕事ばかりしてきた裕太。彼の真面目さの裏には「仕事を取ったら 俺に何が残るんだろう」という不安が隠れていた。
そんな悩みを聞いた猫たちは、「スマホを手放して、餃子を食べろ」と勧め、「明日は家でゴロゴロすればいい」とマイペースなアドバイスを贈る。「そんな休日もいいかも…」。そう思った裕太は、にんにくがたっぷり入った餃子をパクリ。これまでの顧客ファーストな生き方を一旦止めて、自分ファーストな休日を楽しむ方向へと舵を切る。
社会で分かりやすく評価される仕事は自己肯定感を高めてくれることもあるため、真面目な人ほどオーバーワークになりがちだ。だが、時には予定を入れずに、自堕落に自分を労わる日があってもいい。裕太のエピソードは、多忙な現代人に“休むこと”の大切さを教えてくれる。
文=古川諭香