『のこりものにはメシがある』(辻󠄀恵/秋田書店)は、終戦直後の名古屋を舞台に、満州から引き揚げてきた青年が、闇市の食と人々との出会いを通して、生きる力を取り戻していくグルメ漫画である。食べることがままならなかった時代、一杯の飯が人の心をどれほど満たすのか。「食べることは、生きること」という当たり前の事実が胸に迫ってくる物語だ。
舞台は1946年。満州からひとりで日本へ引き揚げ、名古屋へ戻ってきた青年・乾空は、家族を失い、生きる気力もなく、これからどう生きればいいのかさえわからないまま街をさまよっていた。そこで偶然再会したのが、小学校時代の同級生・二河白道だ。闇市の飯処で働いていた白道は、そんな空を放っておけず、進駐軍から出た残飯を使って料理を作り、食べさせる。