『魔法少女三十路』(三倉ゆめ/ヒーローズ)は、「もし35歳の会社員が突然魔法少女になったら?」という突飛な設定を、とことん現実目線で描いた異色のコメディ漫画である。キラキラした魔法少女への憧れよりも、「こんな格好を会社の人に見られたら人生が終わる」という三十路ならではの悲哀に笑わされる作品で、このたび描き下ろしカバーイラストを使った新装版が登場した。
主人公は35歳独身の会社員・保守ようこ。目立たず平穏に暮らすことを何より大切にしていた彼女は、ある日突然、うさぎのような妖精・ウサによって魔法少女にされてしまう。しかし、変身しても若返ることなどはなく、大人の体のまま、いわゆる魔法少女らしさ満点のフリルいっぱいの衣装をまとって悪の組織「邪心(エビルハート)」と戦わなければならないのであった。しかも、その姿はテレビのニュースで報道されてしまい、会社でも噂になってしまう。ようこにとって最大の敵は悪の組織ではなく、「知り合いに見られること」なのである。