ダ・ヴィンチWeb


『かわたれ、かたわれ』(糸井のぞ/新潮社)は、長い間森に引きこもっていた吸血鬼が、100年ぶりに外の世界へ飛び出し、東京で「永遠の片割れ」を探すヒューマンコメディ。永遠の命を持つ吸血鬼にとって、人間との出会いにはいつか必ず別れが訪れる。そんな切なさを抱えながら、婚活や家族との交流に奮闘する姿をコミカルに描いた作品だ。


主人公は吸血鬼のヤスパース。ある出来事をきっかけに、永遠に変化することのない「霧の森」に引きこもって暮らしていた。しかし、長い年月の中で、愛犬も自分を世話してくれた執事も亡くなり、ヤスパースは孤独に耐えられなくなってしまう。そんな彼の前に現れたのが、かつて森を出て「外」の世界で暮らしていた妹・アビだ。彼女に連れられ、ヤスパースは100年ぶりに森を出て、東京・清澄白河で新しい生活を始めることになる。


  • 続きを読む