『終末パートナー』(北村みなみ/KADOKAWA)は、不治の疾患によって耐え難い苦痛を抱える人が安楽死を選択できるようになった近未来の日本を舞台に、「自分の死を選ぶこと」と「愛する人の死を受け入れること」を描いたヒューマンドラマである。死にたい人と、生きてほしいと願う人。どちらの思いも否定することなく、「幸せな最期とは何か」を問いかける作品だ。
主人公・小桜要は、安楽死を希望する人がよりよい最期を迎えられるようサポートするプランナーをしている女性。顧客の希望に耳を傾け、できるだけ満たされた気持ちで人生を終えられるように、誰よりも真摯に仕事と向き合っている。そんな彼女に、難病を患う夫・纏が長年申請を続けた末についに安楽死を選択する権利を得る。
他人の「死にたい」という意思を尊重し、その最期を支えてきた要だったが、それが愛する夫となれば話は違う。仕事では冷静に向き合えていたはずの安楽死を、妻として簡単に受け入れることなどできないのだ。「死にたい」と願う夫と、「生きてほしい」と願う妻。互いを大切に思っているためにふたりの願いはどうしても相反し、すれ違ってしまう。