人生の大事な日に限って、トラブルは起きる。しかも、それが自分ではどうにもできないことだったら、なおのことつらい。焦っても、祈っても、時間だけが過ぎていく。だが、そんな時、周りの人の何気ない振る舞いが、思いがけず心の支えになったとしたら……。
しばたまさんによる『しばたまが聞いた! 本当にあったすごい話』は、フォロワーから寄せられた実体験を漫画化した作品。投稿されたエピソードは、心温まるものから、ゾッとさせられるものまでさまざま。中でも、大学受験の朝の出来事を描いた作品には、受験当日の張り詰めた空気の中で、見知らぬ大人たちのさりげない気遣いが印象的だ。
大学受験の日、投稿者は、かなり余裕を持って家を出たのだという。だが、駅は人であふれかえっていた。どうやら人身事故の影響で、電車が運転見合わせになっていたらしい。「間に合わなかったらどうしよう」――冷静でいたいと思っても、不安はどんどん膨らんでいく。幸い、電車は20〜30分ほどで運転を再開したが、駅には、受験生やサラリーマンがあふれ、全員がすぐに乗れる状況ではない。すると、隣で会社に電話していたサラリーマンの声が聞こえてきた。そして、その言葉をきっかけに、周りの大人たちの様子が変わり始めて……。