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「自分の中にある、相反する3つのホラーに対する価値観を反映」大人気ホラー『近畿地方のある場所について』背筋さんに、2冊の新作についてインタビュー!

2024年10月19日

  •  2023年、小説投稿サイト「カクヨム」上で発表された『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)。なにが起こっているのかわからない。でも、確実にやばいなにかがそこにいる――。そんな不気味な読書体験が支持を集め、書籍化されるや否や、重版が続いた。同作はなんと、新人作家のデビュー作としては異例の累計発行部数25万部を突破し、モキュメンタリーホラーの面白さを世に知らしめた。


     作者の名は「背筋」。デビューしてからしばらくは年齢も性別も不明だったが、つい先日、素顔を解禁したことが話題になったのは記憶に新しいだろう。


     そんな背筋さんの2作目がついに登場した。『穢れた聖地巡礼について』(KADOKAWA)と名付けられたそれは、フリーの編集者・小林と心霊スポット突撃系YouTuberの池田が、心霊スポットの考察をでっちあげていくというストーリーの長編ホラーだ。また、同時期には『口に関するアンケート』(ポプラ社)という「アンケート付き」の珍しい体裁の短編ホラーも発売した。両作品は書店の売上ランキングでも上位を占めており、背筋さんがホラー作家として注目されていることがうかがえる。

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