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友人と巣鴨に赤パンツを買いに! 不眠症、断捨離、相続問題… 思わず笑って共感できる60代のリアルな日常を描いたコミックエッセイ

  •  還暦である60歳は、人生の大きな節目だ。歳を重ねることは少し憂鬱で、未来に漠然とした不安を抱くことも。きっと年齢にかかわらず、似たような思いを抱いている人も多いのではないか。


     これまでも子育てや夫婦生活をコミックエッセイとして描いてきた著者が、『マダム60 60代もいろいろある!』(青沼貴子/竹書房)では60代のリアルな日常を描く。これから60歳を迎える人や今60代を過ごしている人に、共感や笑い、そして新たな視点を与えてくれるだろう。収録されたエッセイは、どれも1話5ページ程度なので気負いせずに読み始めることができる。


    「60歳ってちょっとショック。でも39歳→40歳のときのショックに比べるとそうでもない」そんな思いで60歳を迎えた著者が赤裸々に描く出来事には、まるで友達の日常を覗いたり会話をしたりしているような身近さがある。


     友人と巣鴨に赤パンツを買いに行く話や86歳を迎えた母の杖デビューの話は、楽しげな会話に思わず口角が上がってしまう。不眠症に悩む話では、試行錯誤を繰り返した著者なりの解決策が記されており、ストレッチのやり方など今日から実行に移したくなるものも多い。

     その他にも、断捨離や相続問題、夫婦関係やNISAについてなど、私たち自身にとっても身近で気になる話ばかり。どの話から読んでも、どんな年齢の方でも、きっとその明るく賑やかな日常の虜になるはずだ。


     いまや人生100年時代と言われて久しく、60代はまだまだ現役世代だ。私はこれからどうやって歳を重ねてどんな60歳を迎えるのだろうか。バイタリティ溢れるエッセイに触れて、漠然とした不安は軽くなり、いま未来にワクワクしている。人生のさまざまな出来事を描いてきた著者が描く、今後の生活も楽しみで仕方がない。


    文=ネゴト / fumi

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