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死産前日に感じた最期の胎動。病室でひとり「死なないで」と願った夜【漫画家インタビュー】

  • 念願の2人目の妊娠だったのに、あんなことになるなんて――。日常の出来事や気づきを描いた「日常観察マンガ」が人気の桜木きぬさん(@kinumanga)は、長男と夫の3人暮らし。2人目を考えてから数年後に妊娠がわかり喜んだのも束の間、医師から染色体異常の可能性があると伝えられる。過去に流産した経験から、子どもを失うつらさを知っていたきぬさんは、一度は出産を決意するが……。

    母の葛藤と命の輝きをリアルに描いた『わたしが選んだ死産の話』(医療法人財団順和会山王病院病院長/国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授・藤井知行氏監修)は、きぬさんが自身の体験をもとに描いたエッセイ漫画だ。第6話では、入院して赤ちゃんを出すための事前処置をする。著者のきぬさんに、2人目を妊娠した当時のことを聞いた。


    長男と過ごす時間が精神的な救いに


    ――事前処置の最中は、どんなことを考えていましたか?


    事前処置はとにかく痛かったです。拷問かな、と思うぐらいの痛みでした。どんな処置をするのか事前に説明されていなかったので、余計に怖かったですね。

    ――「どのタイミングで亡くなるかわからない」と言われたときの心境を教えてください。


    めちゃくちゃつらかったです。でも、もう死産に向けて走り出してしまっているので、つらくても怖くても止まれませんでした。入院に際して病院からは、大部屋を案内されました。でも、産後の幸せそうなお母さんたちがいるなかで過ごすなんて、とてもじゃないけどできなくて。なんとか個室に変えてもらって、面会時間ギリギリまで家族と過ごしていました。長男と一緒に過ごす時間が精神的な救いになっていたと思います。


    ――最期の胎動を感じたあとは、眠ることができましたか?


    体が疲れていたこともあって、少しだけ眠ることができた覚えがあります。 命について静かに問いを投げかけてくれる『わたしが選んだ死産の話』。きぬさんがどのように死産という選択に至り、その事実と向き合ったのかをご覧いただきたい。

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