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2007年12月からはじまった、小山宙哉さんの連載漫画『宇宙兄弟』が、2026年6月で完結を迎えた。実に18年半にもおよぶ長期連載の中で、数々の感動を届けてくれた本作の終幕に、多くの読者が感慨の声を寄せている。


コミック最終巻は、2026年7月22日に刊行された。本作完結を記念して、作者の小山さんに現在の率直な感想、登場人物たちへの思い入れ、漫画に対する向き合い方についてうかがった。


※本記事では『宇宙兄弟』の結末に関する若干のネタバレがあります。未読の方はご留意ください。


失敗を「失敗」と捉えず、より詳細なデータを得るための経験と考える


――およそ18年半におよぶ『宇宙兄弟』の連載を終えて、今の率直な感想、作品への思いをお聞かせください。


小山宙哉(以下、小山):まずは、終わらせることができて本当によかったと安心しています。長期連載で話が長くなるにつれ、終わりが遠のく感覚があったのですが、脱線することなくまっすぐ終わりに向かって書くべきものを書けたので、作品としても満足できる仕上がりになりました。


――ISS(国際宇宙ステーション)の存続をかけた署名のくだりで、「やめてしまうのは簡単だ。続けた先に得るものは必ずある」という吾妻の台詞があります。長期にわたり作品を描き続けた今、吾妻の台詞に共感するところはありますか。


小山:吾妻の台詞は、“今”というより、僕の中に常にある感覚に近いですね。漫画家になって、最初の2作品は1巻で終わってしまいました。打ち切りという形になるので、作品としては「失敗したもの」に分類されるかもしれません。でも、漫画をやめることは一度も考えなかったですね。そうして続けていく中で、過去の作品を描いてきた経験が活かされていると感じたタイミングがあり、それが吾妻の台詞につながりました。


――キャンサット制作の場面でも感じたのですが、本作は「失敗」がポジティブに描かれていますよね。「本気の失敗には価値がある」という台詞も印象的でした。


小山:そうですね。宇宙開発においては、失敗のほうが多いという話を聞いていたので、そこから着想を得た部分でもあります。失敗を「失敗」と捉えず、「勉強」と考える。より詳細なデータを得るための経験だったと考えるそうです。宇宙で体験した出来事やトラブルを、帰還した宇宙飛行士がみんなに説明する時間がちゃんと設けられていて、次への対策に活かすことを取材を通して知りました。


僕自身、過去作の『ハルジャン』や『ジジジイ–GGG–』を描いている時も、本気で描いていました。それがのちに活きてくるのを実感しているので、「本気の失敗には価値がある」と思っているんです。自分の中に、「ずっとつながっていくもの」という思いがあり、これは基本の考えとして染み付いています。


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