「介護」は、いずれ誰もが向き合う可能性のある問題。それは理解できていても、おそらく多くの人が自分にはまだ先の話だと考えているだろう。しかし、その現実はある日突然やって来る。本稿で紹介する作品は、いずれも介護の渦中を実際に生きた人々の記録。介護の実務だけでなく、割り切れない感情まで、きれいごとを排して描かれている。
▶『お母さんのおむつを替えた日 ヤングケアラーの見つけ方』
▶『余命300日の毒親』
▶『20代、親を看取る。』
▶『48歳で認知症になった母』
▶『大切な人が死ぬとき ~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』
1)『お母さんのおむつを替えた日 ヤングケアラーの見つけ方』一ノ瀬かおる:著、福田旭:協力
■誰にも気づかれず、人生が奪われていく――
自分がヤングケアラー(本来は大人が担うと想定されている家事や家族の介護、世話などを、日常的に行っている子どもや若者のこと)だと気づかないまま、大人になる子どもがいる。『お母さんのおむつを替えた日 ヤングケアラーの見つけ方』(一ノ瀬かおる:著、福田旭:協力/竹書房)の主人公・旭も、そのひとりだった。父親は旭が3歳の時に他界し、それ以降、お好み焼き屋を営む母とふたりで暮らしてきた。