ダ・ヴィンチWeb

作家やクリエイター、お笑い芸人、音楽アーティストなど、多彩なジャンルで活躍する人たちが、心に残る一冊をセレクトして、自身の言葉で紹介! 本を選んだ理由やそれぞれならではの視点を通して、本との新しい出会いや、読書の楽しみを届けます。


『往信』 (佐々木朔/書肆侃侃房)


「そんなこと言ったっけ」


「言ったよ。言ってたよ。言ってくれたよ。忘れてても、絶対に忘れないよ」


ふと漏れた、ため息のような言葉のほうが、時間をかけて考え抜いた言葉よりもずっと誰かの胸を震わせる、なんてちいさな奇跡がある。本を読む喜びは、そんなちいさな奇跡に出会えることにある。今回はそんな本を紹介しちゃいますよ。


言葉はいつも、思いがけない場所に思いがけない形で届く。特に、本に書かれた言葉は読者が読むことによって成就するから、渡り鳥のように孤島から孤島へ飛んでいける。佐々木朔『往信』は、そんな言葉のすこやかな寂しさを歌った歌集だ。


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