恋と憧れの違いは何なのだろう。相手の姿を見つけるだけで、声が聞こえるだけで、ときめく。もっと近づきたいなと思う。もう、ほとんど同じじゃないか。こんなにも胸が高鳴るのなら、その気持ちに名前をつけることさえ難しくなってくる。
『マダムが教えてくれたこと』(ユニカ/KADOKAWA)は、喫茶店でアルバイトをする女子大生が、70歳の気品あふれるマダムと出会い、自分の生き方を見つめ直していくコミック。お金も時間も夢もないと感じていた女子大生に、マダムの装いや言葉が変化をもたらしていくさまは、私たちの胸にも静かに響いてくる。
女子大生が働く喫茶店には、70歳のマダムがよくやってくる。整えられた白く短い髪、気品のあるブルーの装い、芯のある優しい声。お冷を差し出せば「ありがとう」と返ってくるだけなのに、その存在感に女子大生は心をつかまれる。