※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年9月号からの転載です。
総合1位は文芸誌『GOAT』の「Summer 2026」号だが、これには説明が必要だろう。通常、書籍と雑誌は別のコードで流通していて、ランキングは書籍のみで集計する。しかし『GOAT』は雑誌(magazine)と書籍(book)の両方の性格をもつムックとして流通。ちなみに前号「Winter 2026」は2025年12月の総合ランキングで14位だった。2位、3位は辻村深月の社会派ミステリー『ファイア・ドーム』。25年前の誘拐殺人事件と現代の事件。人びとの無責任な「噂」が怖い。『GOAT』でも同作が特集されている。
5位に凪良ゆう『多類婚姻譚』。恋愛と結婚をめぐる短編連作。凪良ゆうは『汝、星のごとく』も文庫ランキングの8位に。そのほか、朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』、若林正恭『青空』、川代紗生『月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった』、池井戸潤『ブティック』と、6月は文芸書がよく健闘した。19位の背筋『口に関するアンケート』は24年9月刊行の小さな本。清水崇監督による映画は7月封切り。