ダ・ヴィンチWeb


長くしまい込んでいた道具に、ふと手が伸びる日がある。たとえば、昔使っていたコーヒーサイフォン。今淹れる一杯は、昔とは違う味わいが感じられそうだ。


『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)は、何げない毎日を自分たちらしい遊びで彩る3人のマダムが魅力的なコミック。栞、晴子、沙苗。3人は食卓を囲んで昔話に花を咲かせる。そんな何気ない時間が、何だかとても贅沢に感じられてくる作品だ。


ある雨の日、3人の家に「喫茶店シオリ」がオープンした。マスターを務める栞が取り出したのは、昔愛用していたコーヒーサイフォン。2人はそれを見て、以前、栞にコーヒーを淹れてもらったことを思い出す。長くしまわれていたものの、大切に使っていたため、交換が必要だったのはフィルター部分だけ。サイフォンを囲み、かつての記憶をたどりながら、コーヒーが出来上がるのを待つ時間は心地いい。


  • 続きを読む