ある日かかってきた電話で家族の日常が一変した。『16歳で帰らなくなった弟』(きむらかずよ/KADOKAWA)は、高校3年生だった著者・きむらかずよ氏が、1歳年下の弟をバイクと車の衝突事故で亡くした経験を描いた作品である。突然の別れによって日常が崩れ、家族それぞれが悲しみを抱えながら再び歩き出すまでが綴られている。
物語の始まりは、深夜にかかってきた警察からの電話だった。弟がバイクの運転中に加害者となる青年が運転する自動車と接触事故を起こし、容態が危ないという。家族で急ぎ病院へ向かうものの、弟はすでに事切れていた。自由奔放でやんちゃだった、人懐っこく周囲から愛されていた16歳の弟。ついさっきまで続いていた日常が、ほんの一晩で別のものへ変わってしまった。その現実を受け止める間もなく、家族は葬儀や事故後の対応に追われることになる。