大切なパートナーがこの世を去ったとき、残された人はどうやって明日からの日常を生きていけばいいのだろう。『あなたが死んじゃったあとに~かなしい時の歩き方~』(いのうえさきこ/秋田書店)は、愛する人を失った悲しみと、そこから一歩を踏み出していくふたりの女性を描いた物語だ。
主人公・すみれは、がんを患った同居中の恋人・裕人を看取ることにした。医師からは「会いたい人には会っておいたほうがいい」と勧められ、すみれが連絡を取ったのは、裕人と前妻の間に生まれた娘・詞葉だった。16年間会っていなかった父娘は久しぶりの再会を果たすものの、その直後に裕人の容態は急変する。戸籍上のつながりがない「内縁の妻」と、血のつながった「前妻との娘」。ふたりは病室で裕人を囲み、彼の最期の数日をともに過ごすことになる。