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“夜逃げ屋”という職業をご存じだろうか? ある事情を抱え、誰かに知られないように引っ越したい……そんな人の手助けをする職業だ。そして夜逃げ屋で著者が実際に働き、そこで起きた出来事をマンガにしたのが『夜逃げ屋日記』(宮野シンイチ/KADOKAWA)である。


本作で描かれる依頼者の事情はさまざまだが、なかには、生まれてからずっと自分を虐げてきた「家族全員」から逃れるために、夜逃げ屋に助けを求めた36歳の男性のエピソードもある。


その男性は36歳。愛想がよく頭もいい兄と比較され、幼い頃からずっと「失敗作」「病原菌」と呼ばれ、同じ食卓につくことも許されなかった。兄も弟を見下し、毎日暴力をふるっているという。待ち合わせ場所に現れた依頼者は、実年齢よりかなり上に見える風貌で、これまでかなりのストレス下にいたことがうかがえる。


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