「犬は無事です」という文言をご存じだろうか。映像作品、特に映画において犬の安否を心配する人に向けた心優しいネタバレであり、1983年のオーストリアのホラー映画『アングスト/不安』が2020年に日本で劇場公開された際の宣伝コピーとしても話題になった。
●映画で「犬が無事じゃない」ことにも意味はあるけれど……
実際にSNSでは映画鑑賞後に「犬は無事です(もしくは死にます)」と報告する声は多く、ユーザーの投票により映画中に犬が死ぬかどうかをネタバレを含めずに確認できるサービス「DOGGONE」が誕生していたりもする。たとえフィクションであっても犬を死なせる、殺すことを許せないという心理は、とてもよく理解できる。
しかし、必要な人への配慮とはいえ、「犬の生死への言及もネタバレになるので避けてほしい」という人も当然いるだろう。筆者個人としても、映画で犬が死ぬ展開にはそれなりの理由がある場合が多く、そのショッキングさや怒りを観客が共有することも重要だと思える時もある。
(物語の発端部分なので)ネタバレにならない例をあげるのであれば、2015年に日本で公開された『ジョン・ウィック』では、「あんなにかわいい犬が殺されればマフィアを皆殺しに向かうのも当然だな」と大納得できるし、「やったれ」と心から応援ができたではないか。